3月29日(木)に東京大学駒場キャンパス・21KOMCEEにて、関東支部の平成24年第1回研修会が開催されました。
午前の部は、パネルディスカッション「大学におけるダンスの教材としての価値」(司会:天野勝弘(関東学園大学)、パネリスト:寺山由美(筑波大学)、中村恭子(順天堂大学)、三浦哲都(東京大学大学院博士課程3年))を行い、午後の部は、実技研修を行いました。
午前の部では、ダンスの必修化に対して、大学における体育で教材としてのダンスについて、パネリストの方々の貴重なご意見を拝聴することができました。今回の研修会でダンスを取り上げた背景には、いうまでもなく、中学校におけるダンスの必修化があったことから、フロアからも多くの質問がなされ、真剣な議論が展開されました。
午後の部では、最初に、跡見順子先生(東京大学アイソトープ総合センター特任研究員、元大学体育連合関東支部支部長)に基調講演(「ダンス・踊りと身体~バランス・柔軟性の科学的背景」)をお願いし、その後、インド舞踊(講師:マチコ・ラクシュミー(インド舞踊家(バラタナーティアム)・「インド舞踊を踊る」)、日本舞踊(講師:西川右近(日本舞踊家、西川流三世家元)・「日本舞踊を踊る」)、ヒップホップ・ダンス(講師:三浦哲都(東京大学大学院博士課程3年・「ヒップポップを踊る」)の3種類の実技を行いました。
インド舞踊では、今までに経験したことのない「動き」に戸惑いましたが、自らの身体が思うように「動かない」ことも知りました。門外漢ですが、もしかすると「意識」が身体を動かしていないのかもしれません。
日本舞踊では、動きそのものが難しいというよりは、表現するための身体の使い方の繊細さを感じました。「ひらひらと舞う花びら」を表現するためには、手を巧みに使う必要があるとともに、上から下へ落ちていく様を全体で表現する必要を実感じました。また、西川先生の話術にも引き込まれました。
最後に、ヒップホップ・ダンスですが、これは何といっても「楽しい!」の一言に尽きます。講師の三浦さんには、いくつかの技術について教えていただきましたが、軽快な音楽に合わせて、自らの身体を動かすことの楽しさと、どのように動かしても良いという自由さは、インド舞踊や日本舞踊にはない要素でした。
近年、若い人たちを中心として、ヒップホップ・ダンスが流行っているのも、納得できました。
今回の研修会は、1日中、ダンス・踊りのことを考える機会となり、非常に充実したものとなりました。
さらに、ダンスの必修化に伴って、指導者として、「何を」、「どのように」、教授することが可能なのか考える材料を提供していただきました。
大学でダンスを教える時に、我々、大学教員は単なる指導者として授業を展開するだけ
では不十分だと思います。将来、社会に出て、ダンスを指導するかもしれない、将来の指導者の養成だととらえ、授業を展開しなくてはなりません。当然、そうでない学生もたくさんいます。そうした学生にも、ダンスの本質と楽しさ、楽しみ方を教えるためには、こうした研修に多くの先生方に参加していただき、実際に経験してもらうことが重要であると感じた1日でした。
最後に、普段、あまり意識することのない「日本文化」ですが、いかに日本人が普段の生活の中で日本的な「感覚」を身につけているのか、インド舞踊、日本舞踊と経験した中で、強烈に感じることができました。と同時に、グローバルな社会を標榜していても、実際は「日本」をあまりにも知らなかったという点で、反省しています。
また、大学院生時代に三浦雅士氏の『身体の零度-何が近代を成立させたか』(講談社選書メチエ、1994.11)を講読しましたが、今回の研修会において、改めて、その内容がわかった気がします。
ともあれ、今回の研修会は非常に有意義であったと思っています。今後もこうした充実した内容で研修会を開催していきたいと思いますので、多くの先生方の参加をお待ちしております。
支部長 小峯 力 (流通経済大学 教授)
事務局 田簑健太郎(流通経済大学 准教授)

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